前回からの続き

手書きでMALEと書いてある身体検査小屋をあけた。

刑務官は仕事そっちのけでスマホを弄っていた。

世界一SNS好きだといわれるフィリピン人は勤務中であろうが1分1秒を惜しんでフェイスブックへ何かを投稿したりそれを眺めている。

私は小屋へ入ると身体検査を受けるために潔く服を脱ぎ始めた。

すると、刑務官はビックリしたようにこう言った。

お前何やってんの???
Hoy! Nag unsa ka?
ホイ ナグ ウンサ カ

だって全裸検査があるってテレビで・・・
Kay sa TV ba, kinahanglan hubo man tanan diba?
カイ サ ティービー バ、キナハンラン ホボ マン タナン ディバ?

あのね、それは女性だけ!
Ah・・・Babae lang!
ア~ ババエ ラン



ちなみに女性の訪問者はブラやパンティーまたは股間に薬物を隠し刑務所内部へ侵入するケースが多いのでチェックが厳しいのだ。

女性囚人は現在138名収容されているそうだ。

小屋から出た私は靴を脱がされ緑色のスリッパに履き替えさせられた。

なぜか踵の部分に切れ込みが入っている。

刑務所の中は意外と広かった。

畑が広がる。

脇のあぜ道をとぼとぼ歩き女性房へと向かった。

畑の向こう側でバスケをして遊ぶ男性囚人の姿が見えた。

塀の中と外というだけでやっている事は全く変わらない。

女性房の入口。

ゲートに玩具のように簡易な鍵がかかっている。

黄色いTシャツを服を来た痩せたフィリピーナが門番代わりに突っ立っていた。

歳の頃はそうさのぉ、40歳位か。

ハスキーボイスな声で面会者の名前を聞かれた。

ゲートをくぐると右側に鉄格子のついた部屋が続く。

部屋の中から一斉に数人がこちらを覗きこんだ。

私を見てコリアンの男が来たと騒ぐ。

クライアントのRの居るドミトリーへ到着した。

入ってすぐが面会会場となっていたが、日本のように穴の開いたガラス越しというわけではなく、四角い大きなテーブルが幾つか並んでいる。

既に家族と面会中の人であぶれていた。

持ち込んだピザやチキンの匂いが立ち込める。

面会というよりもピクニック。

犬まで連れてきている家族がいた。

鉄格子の中から遠慮無くこちらを覗きこんでくる女囚人達。

まるで逆動物園だ。

鉄格子の中でも食べ物を片手に常に口がモグモグしている。

きっと面会者からのおすそ分けだろう。

塀の外も中も所詮フィリピン。

その刑務所は黄色が基本なのだが、中には露出度の高いデザインのシャツを着ている囚人もいる。

色さえほぼ同じだったらデザインは何でも良さそうだ。

セクシー男性モデルの雑誌を穴が開くほど見ている囚人。

刑務所内で”エロ本&大人のおもちゃ”をセットで売ると飛ぶように売れるのだろう。

フィリピンでは囚人が買い物をすることができるのだ。

20分程してようやくRが現れた。

一瞬別人かと思うほど派手になっていた。

まるで女囚スコーピオン。

塀の中でも髪を染めたりネイルをしたりするサービスがあるらしい。

フィリピンの刑務所はどうやら更生施設ではなさそうだ。

売店でコーラを買い、差し入れのスニッカーズを渡した。

つづく。

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